青い空が広がり、海が果てなく続く。日本最古の蒸留酒・泡盛は、沖縄の地で600年の歳月を重ねてきた。世界一の価値があるのに、世界はまだそれを味わっていない。2032年、半世紀続いた制度が大きな節目を迎えるいま、沖縄の作り手たちは泡盛を世界へ送り出していく。石垣島から、ホノルルへ。その作り手と継承者たちが、泡盛を本来あるべき場所へと運んでいく。
A world-class spirit the world hasn't yet tasted. From Ishigaki to Honolulu, under blue skies and open seas, awamori — Japan's oldest distilled spirit, six centuries old — sets out to claim the place it deserves. As half a century of protection draws to a close in 2032, the brewers and their heirs carry it to the world.
600年、沖縄で磨かれてきた日本最古の蒸留酒・泡盛。世界一の価値があるのに、世界はまだ味わっていない。2032年、半世紀続いた制度が節目を迎え、沖縄の作り手たちは泡盛を世界へ届けようと動き出す。戦災から蘇った首里の蔵、台風で古酒を仕上げる石垣島の蔵、自社で熟成甕を作り続ける豊見城の蔵、そしてホノルルで泡盛を米国に植える首里系3世の夫妻 — 青い空と広い海のもと、琉球のスピリッツ — 蒸留酒であり、沖縄人の魂 — が本来の居場所を取り戻していく。
1972年の日本復帰と同時に導入された沖縄産酒類の酒税軽減措置は、半世紀続いた業界の足場である。2024年から段階的に縮小し、2032年5月に完全廃止される。半世紀の制度に区切りがつくこの節目は、沖縄の45蔵が国内市場の内側から世界へと踏み出す転機でもある。世界はまだ泡盛を味わっていない — だからこそ、いまが好機である。本作は、その6年間に挑む作り手たちの物語である。
アメリカで映画作りを学んだぼくの使命は、日本と外国の架け橋になることだと信じています。
最初のドキュメンタリー映画で日本酒を題材に選んだのは、日本人のくせになにも知らなかったからです。映画を口実にして、その世界に飛び込ませてもらおうと思いました。カメラを持って蔵に入り、観察し、晩酌をともにさせてもらううちに、すっかりその世界に魅了されました。幸いにも、海外のお客さんにも喜んでいただけました。素人の視点と、世界でスタンダードになっているフォーマットで提示できたから — そう信じたいところですが、実際は、登場してくださった方々の魅力だとわかっています。
今回、泡盛のお話をいただいたとき、雷に打たれたような衝撃を受けました。『カンパイ!』2作で学んだことを活かせるのはもちろんですが、なによりも、ぼくが泡盛に関して無知だからです。つまり、また知らない世界に飛び込んでいける。世界に届けにいくことができる。いまから楽しみで仕方がありません。
映画監督/カンパイ株式会社代表取締役。ロサンゼルス在住。南カリフォルニア大学映像学部卒。ゴールデングローブ賞を選出するハリウッド外国人記者協会会員。『カンパイ!世界が恋する日本酒』(2015)、『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(2018) などがある。